2012年春に東京都墨田区で開業予定の「東京スカイツリー」の高さを、当初予定の約610メートルから約24メートル伸ばし、634メートルにするとの発表が新聞などで報道された。

 東京スカイツリーは、テレビ地上波の完全デジタル化に伴い、首都圏の地上デジタル放送波を送出する役割を担う新タワー。現在は174メートルまで建設されており、今年中に200メートルを越える予定だ。

 中国に約610メートルの電波塔が建つという情報を受け、それより高くしようと構想。東京都・埼玉県・神奈川県の一部を含む武蔵の国の「むさし」とかけた日本人に覚えやすい数字として、634メートルに決めた。

 「いっときでも世界一高い自立電波塔になることで世界から注目される。下町文化や日本の技術を世界に発信してきたい」と、東武タワースカイツリーの宮杉欣也社長は意気込む。

 ベースとなる照明デザインは、東京から見える富士山をイメージ。頂部から2つの展望台にかけて、冠雪を思わす真っ白な光のグラデーションを配した。「江戸時代に生きた先人、現代に生きる自分たち、未来を生きる人たちそれぞれの心に響くような地に足の付いたデザインにした」(シリウスライティングオフィスの戸恒浩人さん)という。
 展望台には、流れ星のようなしっぽの付いた光の粒が、一定速度で周回。「過去と未来を結ぶ時を刻む光を表現した」(戸恒さん)
 富士山をイメージした照明に重ねて、2種類の照明を1日交代でともす。隅田川の水をモチーフにした淡いブルーの光で縦のラインを強調した「粋」と、江戸紫をテーマカラーに金箔(きんぱく)のようにきらめく光をデザインした「雅」だ。「粋は力強く、雅は優しくきらめくデザインにした」(戸恒さん)
 光と影が一体となって美しいとする「陰影礼賛」の考えを取り入れ、タワー下部から上方を照らす光とタワー上部から下方に照らす光の組み合わせで、「タワーの反りと起り(むくり)の美しさを際立たせた」(戸恒さん)。環境も意識し、少ない光でのライトアップを追求しているほか、LEDライトを積極的に採用する方針。天候の悪い日にこそ登りたくなるような光の仕掛けも検討中という。

 早く完成された姿を見たい。東京タワーのように東京のシンボルになる日はすぐにやってくるのだろうか。東京タワーファンの一人としては少し寂しい。