タイのカシット外相は6日、カンボジアがタクシン元タイ首相を政府経済顧問に任命したことへの報復措置として、両国間で結んだ海洋地下資源の共同開発に関する合意を破棄すると表明した。アピシット・タイ首相も同日、カンボジア側がタクシン氏の任命撤回などに応じなければ、さらに強硬な対抗措置を取る考えを示した。国境地帯の領有権問題を背景にカンボジアのフン・セン首相が仕掛けた両国間の対立は、泥沼化する様相を見せている。

カシット外相が破棄を表明した合意は、タクシン氏が首相だった01年に結ばれた。両国沖の未画定となっている境界の画定をめざし、海底の天然ガスなどの地下資源共同開発へ向けて協議を開始するとの内容だが、協議は進展していない。

 両国首相は、同日東京で始まった「日メコン首脳会議」にそろって出席している。だが、アピシット首相は、タイ側から首脳協議を申し入れる考えがないことを記者団に明らかにした上で、「(カンボジアの反応がなければ)次の措置を検討する」と強調した。タイのステープ副首相も同日、バンコクで「すべての国境検問所を閉鎖することもありうる」と語り、国境封鎖の可能性に言及した。

 両国は昨年から、国境のヒンズー教遺跡「プレアビヒア」付近の領有問題をめぐって関係が悪化。今回の対立は、この問題を背景にカンボジア側が仕掛けた神経戦の色合いが濃い。

 フン・セン首相は10月にタイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の直前に、タクシン氏のカンボジア訪問を歓迎すると表明。今回は、「日メコン首脳会議」の直前に同氏の顧問任命を正式発表した。反タクシン派のアピシット首相と顔を合わせる首脳会議の直前に、タクシン氏の問題を持ち出すことでタイ側に揺さぶりをかけている可能性がある。

 だが、泥沼化する対立が、ASEAN全体の協力体制に悪影響を与えるのは必至だ。AFP通信によると、シンガポール外務省報道官は6日、「ASEAN全体の利益を考慮してほしい」と述べ、両国に強く自制を求めた。

今回の両国の関係悪化はタクシン元首相の問題に加え、国境問題も含まれているためすぐに解決とはいかないようです。日本でもどこまで悪化するのか懸念の声がしばし聞かれます。

メインメニュー

ニュース一覧

携帯サイト