東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が23日、ホアヒンで開かれ、域内の人権促進と保護を図るASEAN政府間人権委員会の創立宣言を採択した。

 ミャンマー問題は24日に討議し、同国の軍事政権が9月に米国との直接対話に応じたことを歓迎する。

 人権委は、2015年の統合を目指すASEANの最高規範である憲章に明記された「基本的自由、人権の促進と擁護」を具現化するための機関。加盟国に人権保護などを義務づけ、各国は毎年の外相会議に報告を提出する。ただ、人権侵害が発生した国への罰則や制裁などの強制力はなく、ミャンマーの人権状況改善への期待は極めて低い。

 そうした中、米国とミャンマーの直接対話への歓迎は、ミャンマー問題の解決を国連に委ねてきたASEANが、今度は米国にそっくり「丸投げ」し、自力での懸案処理を再び放棄したことを意味する。

 両国の対話開始と軌を一にして、軍政は民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんとの対話を事実上再開した。「制裁と関与」を掲げるオバマ米政権の新政策は、10年の総選挙に向けて、軍政側から民主化への前向きな姿勢を引き出しつつあるようにも映る。

 ただ、軍政は依然として総選挙の日程や、政党法などの選挙関連法の中身を明らかにしていない。スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)などの野党側が、選挙に参加出来るかどうかも不透明なままだ。在タイ独立系ミャンマー誌「イラワディ」のアウン・ゾー編集長は「軍政から具体的な譲歩があるとは思えない」と対話の効果に懐疑的な見方を示している。

 一方、首脳会議では、気候変動問題も協議した。産業界からは、域内の主力産業として低燃費で二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない「エコカー」を挙げる声もあり、各国は生産支援を検討している。先進国に対しては、環境技術や資金面の協力を求めた。国境を超えて道路、鉄道、港湾などの整備を加速させることでも一致した。

 また、アピシット首相は開会宣言で、11月にシンガポールで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせて初の米ASEAN首脳会議を、10年にはロシアと首脳会議を開くことを明らかにした。

 ミャンマー問題の解決には期待できない見方が有力で、非常に残念だ。

メインメニュー

ニュース一覧

携帯サイト