鳩山首相が10月24日に自らが提唱する東アジア共同体しそうについて説明したことを受け、ASEANではどのような反応があったのだろうか。

 各国からは、「長期的なゴールとして具体的協力に取り組んでいきたい」などと、おおむね肯定的な声が上がっている。
 一方で、ASEANは2015年までに、関税を撤廃して経済分野を統合するなどしたASEAN共同体を目指している。ASEAN首脳会議の議長声明でも、将来の地域の在り方について、「関係国との議論を楽しみにしてる」としながらも、「中核はASEAN共同体」だとして、地域での自らの存在感を主張している。
 ASEAN各国は、東アジア共同体の理念は歓迎しながらも、主導権を奪われることを警戒しているといえそうだ。

 ASEANが主導権を奪われることに警戒を示す理由について、次の様な見解もある。

 鳩山首相と24日に初の顔合わせをしたASEAN10か国首脳は、半数が首相の「東アジア共同体」構想に日・ASEAN首脳会議で言及するなど、大きな期待感を表明した。ただ、日中韓が先行する形となりつつあることには、「地域統合の中核」の座を奪われかねない、と危機感も示している。

 ASEAN側は、鳩山政権のアジア重視により、政府開発援助(ODA)や民間投資の増加、技術移転の増進に期待する。域内で影響力を増す中国に対する「重し」の役割も求めている。

 ASEANはこれまで、ASEAN・日中韓(プラス3)首脳会議、ASEAN地域フォーラム(ARF)などを通じ、歴史認識などで関係がぎくしゃくする日中韓に代わって指導力を発揮してきた。孤立する北朝鮮に対しても対話の場を提供、アジアの「結節点」を自任しており、2015年の共同体化をテコにさらにその役割強化を狙っている。

 こうした中、鳩山首相が今月10日、訪問先の北京で、「東アジア共同体の核となるのは日中韓3か国」と発言したことに、ASEAN側は一気に警戒感を募らせた。

 24日のASEAN首脳会議の議長声明は、「ASEANを中核とする将来の地域構造」という語句を盛り込み、今後もASEANが地域統合の中心となる決意を示した。

 東アジアにおいて、日中韓、ASEANすべてが大きな存在である。互いの主張が激しいのは東アジア共同体思想に前向きであることの表れか。

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